豪ドル/円相場は、4月2日の96.91円をボトムに、足元では104円水準まで値位置を切り上げている。特に豪ドルサイドに目立った材料は無く、豪ド/米ドル相場は方向性を欠いている。しかし、4月3~4日の日本銀行・金融政策決定会合をきっかけに円売り圧力が強まる中、豪ドル/円相場は急騰地合を形成しており、2008年7月以来の高値を更新している。
4月2日のオーストラリア準備銀行(豪中央銀行)理事会で、スティーブインス総裁が2011年以降の金融緩和による景気拡大効果を強調したことで、追加利下げ観測が後退している。4日に発表された2月小売売上高が前月比+1.3%と堅調な数値になったことも、理事会で報告されていた「民間消費支出の緩やかな伸び」を裏付けている。対米ドルでの豪ドル売り圧力が一服していることに象徴されるように、特に豪ドルサイドから豪ドル高・円安傾向が修正を迫られる理由は見当たらない。11日に発表される3月豪雇用統計では弱めの数値が予測されているが、これに伴う豪ドルの下落余地は限定されよう。
一方、円安圧力に修正を迫るのは難しい状況になっている。日銀の大胆な追加緩和策が円安トレンドを決定付けた形であり、短期的な過熱感は強いものの、大幅な修正を迫るのが難しい状況になっている。北朝鮮情勢などによって一時的に円高圧力が強まる可能性までは否定できないが、豪/ドル円相場の堅調地合は維持されよう。
今後1週間の予想レンジは、102.00~106.00円。